ヘアドネーション

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子どもから子どもへ

~広がる髪の贈りもの~

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(NHK NEWSWEBより)




みなさんは、

「ヘアドネーション」という言葉を

ご存じでしょうか?



病気やケガで髪を失った

子どもたちのために

自分の髪を寄付して、


ウイッグを無償で贈る

取り組みのことです。




日本では8年前

大阪にNPOが設立され、

新しいボランティアの一つとして

浸透し始めています。


私は2年前にヘアドネーションを知り、

取材を続けてきました。


そして、最近子どもたちからの

髪の毛の寄付が増えてきていると

耳にしました。



子どもたちは、

どんな思いで髪を伸ばし、

寄付しているのか、


取材を始めました。

(映像取材部カメラマン野口宏明)




注目されるヘアドネーションとは


小児ガンや無毛症といった

病気や不慮の事故などで

頭髪を失った子どもたちに、


「ヘア=髪」を

「ドネーション=寄付」し、


人毛のウイッグを贈る

「ヘアドネーション」。



必要とされるのは

31センチ以上の長さの髪の毛です。



およそ30人分の髪で

ようやく1つのウイッグが

できあがります。



大阪のNPO法人

JHD&C(ジャーダック)では、


髪を失った子どもたちの

心の傷をケアしようと、


18歳以下の子どもたちに

ウイッグを贈る取り組みを

続けてきました。




ウイッグを待ちわびる子どもたち


NPOからウイッグをもらった1人、

島袋麗奈さんです。


13歳の時、

脳腫瘍の手術をした麗奈さんは、



薬の副作用で

以前よりも髪が減ってしまいました。



「なんで自分は

こんなに髪が少ないんだろうと思って、

悲しかった」


頭の形を計測し、

好みの髪型に作り上げられた、

ウイッグ。



およそ1年の間待ちました。


「髪を結んだりとか、

巻いたりとか全然できなかったので、


これからはいっぱい

ヘアアレンジしたいです」。

と麗奈さんは話していました。




NPOではこれまでに、

4歳から18歳までの180人以上に

ウイッグを贈ってきました。


いまもおよそ160人の子どもたちが、

病気と闘いながら、

ウイッグを待っているのです。

(9月27日現在)。




SNSがヘアドネを広げる助けに!?


NPO法人JHD&Cの

渡辺貴一代表理事は、


最近髪を寄付する人が

これまでの主流だった

20代から40代の女性からだけでなく、


10代の子どもたちからも

増えてきていることを、

実感しています。




事務所に送られてくる髪は、

1日およそ200件。


8月は、そのうち4割近くが

10代の子どもたちからでした。



なぜ、子どもたちが

参加するようになったのか?


渡辺さんは、SNSが影響している

のではと考えています。



ここ数年、

女優の柴咲コウさんをはじめ

何人もの著名人がSNSで

髪を寄付したことを発信しています。


それを読んだお母さん世代の間に

大きな共感が生まれ、


子どもたちにも広がっていった

のではないかと言います。



ことしの夏休み、

渡辺さんたちは


子どもたちに

ヘアドネーションを

正しく知ってもらうため、

イベントを開きました。



会場では、およそ100人の親子が、

実際に髪を切る様子を見たり、

ウイッグを受け取った人の話を

聞いたりしました。


「贈った髪は

どうやってウイッグになるのですか」


「どんな子どもたちが

髪を受け取るのですか」


といった質問も飛び交いました。



実際に子どもたちの間で

ヘアドネーションへの意識が

高まっているのを肌で感じました。




悲しまなくなればいいな


会場で、髪が長い

男の子と出会いました。


小学4年生の佐々木優真くんです。


今年2月から

髪を伸ばし始めたといいます。



きっかけは、

子ども新聞の記事を見たこと。


自分と同じくらいの歳の男の子が、

髪を伸ばして寄付したことを知り

感動したからだといいます。



「やってみようってすぐ思った。

ウイッグを作るには

たくさんの人が必要だから、


仲間がたくさんいた方がいいかなって」



もともと運動好きで

髪が短かった優真くん。


暑い夏の間も、

人一倍汗かきなのを我慢して

手入れしてきました。


髪が寄付に必要な31センチ

に達するまで、

あと2年は伸ばし続けたい

と話していました。



男性からの髪の毛の寄付は、

全体の1割未満です。


優真くんは、髪を伸ばし、

誰かの助けになれるということ、

同じ考えの仲間がいることに、

勇気づけられているようでした。




キーワードは「仲間」



賛同する人を増やしたいと、

「女子高生ヘアドネーション同好会」

を作った人もいます。


群馬県の高校2年生、

伊谷野真莉愛さんです。


きっかけは、

小さいころから一緒に暮らしてきた

祖父をガンで亡くしたことでした。



「祖父がガンにかかっていて、

すごく苦しんでいるのを

近くで見ていたので、


同じガンで苦しんでいる子たちを

自分の髪で救えるなら

うれしいことだなって思った」




今年の5月に結成した同好会では、

まずはまわりの友人に

ヘアドネーションについて

説明をすることから始めました。



現在、メンバーは

30人以上になりました。


月に1回集まって、

ヘアドネーションを呼びかける

ポスターを作ったり、

髪の伸び具合を確かめたりしています。



時間もお小遣いも

限られている高校生にとって、


髪を伸ばすことだけで

誰かの役に立てるという手軽さ

参加する理由のひとつにも

なっているようでした。



私が同好会を訪れたこの日、

メンバーの一人が

みんなの前で髪を切る場面も

撮影させてもらいました。


3年間大切に伸ばし、

手入れしてきた髪。



カットする様子を初めて

目の当たりにしたメンバーからは、


「初めてみてリアルに実感でき、

感動しました」



「1人だけで

ヘアドネーションするのは、

ずっと伸ばさなくちゃいけないし

大変だけど、


みんなで

ひとつのことを成し遂げられるって、

すばらしい」

といった声が上がっていました。




一緒に励まし合いながら髪を伸ばし、

「ヘアドネーション」という

同じ目的に向かって団結することに

充実感を得ているようでした。


さらに彼女たちは、

活動をツイッタにアップして、


同じ世代の人に

ヘアドネーションを呼び掛けています。

フォロワー数は500人を超え、

さらなる広がりを見せています。



髪に込められた子どもたちの思い


始めたきっかけは様々ですが、
子どもたちは伸ばした髪に
ひたむきな思いを込めていました。



取材を通して私が感じたのは、
子どもたちが
学校の同好会やSNSなどを通して
知り合った子どもたちと

「つながり」を感じて
ヘアドネーションに取り組んでいる
ということでした。


「ヘアドネーション仲間」
とも言えるこの
つながりがさらに広がって、

笑顔になる子どもが
1人でも増えてくれたら
いいなと思います。

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by sinonome-an | 2017-10-24 18:00 | news (時世)

心と身体を観照する


by しののめ庵