昆虫の体性感覚神経回路

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哺乳類と昆虫

共通の脳を持つ

祖先が存在か

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(NHK NEWSWEBより)




ものを触ったときに感じる感覚、

「触覚」が脳に伝わる

神経回路の構造は、


ヒトを含む哺乳類と

昆虫とで共通している


とする研究成果を

東京大学のグループが発表しました。




聴覚や視覚など五感のうち

4つではすでに

共通の構造があることが判明していて、


グループでは、

今から6億年ほど前には、


哺乳類と昆虫には、

共通の脳を持つ祖先が存在していた

可能性が高いとしています。




東京大学分子細胞生物学研究所の

伊藤啓准教授らのグループは、


大きさ2ミリほどの

ショウジョウバエを使って

ものを触ったときに感じる


「触覚」の情報が

脳にどう伝わるのか調べました。


その結果、

皮膚が押されたり、

関節が曲がったりするのを感知する

複数の神経が


それぞれ脳の違った場所に

情報を伝えるなど

哺乳類と昆虫とで

神経回路の構造が


共通していることが

わかったということです。



視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚の

五感のうち、触覚を除く

4つの感覚では、


すでに哺乳類と昆虫とで

神経回路の構造が共通している

とわかっていて


今回の研究で

五感すべてで共通点が

見つかったことになります。


研究グループの伊藤准教授は、

「およそ6億年前には、

哺乳類と昆虫の共通の祖先がいて、


五感を感じる脳を持っていた

可能性が高い」と話しています。



PS:

東大など、

昆虫の体性感覚神経回路の構造を解明

2017/11/3 3:00


フォームの始まり

フォームの終わり

発表日:2017113

「昆虫の体性感覚神経回路の構造を解明

-哺乳類との高い類似性を発見。

脳が共通の祖先から進化した

可能性が高まる-」

 


 ・伊藤 啓(東京大学分子細胞生物学研究所 脳神経回路研究分野 准教授/ケルン大学理学部動物学教室教授/ハワードヒューズ医学財団ジャネリア研究所シニアフェロー)

 ・坪内 朝子(研究当時:東京大学分子細胞生物学研究所 脳神経回路研究分野研究員/現:東京大学大学院総合文化研究科 生命環境化学系社会連携講座次世代イメージング画像解析学講座特任助教)

 ・矢野 朋子(東京大学分子細胞生物学研究所 脳神経回路研究分野東京大学大学院新領域創成科学研究科 博士課程 3 年)

■発表のポイント:

 ◆昆虫の体性感覚(触覚)を検知する末梢感覚神経から脳の高次中枢にいたる神経回路の全体像を、初めて体系的に解明しました。

 ◆哺乳類の実験動物では不可能な、感覚神経系のなかの特定の1種類だけの神経の活動を検出したり、その神経だけの機能を操作したりする実験を可能にしました。

 ◆明らかになった神経回路は哺乳類と非常に高い類似性を持っていました。これで五感のすべてについて、昆虫脳と哺乳類脳の基本回路構造がほぼ同じであることが明らかになり、両者がばらばらに進化したのではなく、先カンブリア紀の共通の祖先から進化した可能性が高まりました。

■発表概要:

 東京大学分子細胞生物学研究所の伊藤啓准教授、坪内朝子研究員、矢野朋子大学院生らの研究チームは、キイロショウジョウバエを使って昆虫の体性感覚神経回路の構造を解明し、哺乳類のそれと極めて類似性が高いことを明らかにしました。視覚・嗅覚・味覚の神経回路の構造は非常に似通っていることが知られていましたが、私たちは数年前の研究で、音や重力を検知する中枢の構造も昆虫と哺乳類でほぼ同じであることを発見しています。体性感覚に関する今回の研究で、五感全ての神経回路構造に共通性が見つかったことになります。これによって、これら五感の基本を備えた脳を持つ生物が先カンブリア紀に存在し、その共通の祖先から、私たち哺乳類を含む脊椎動物と昆虫を含む節足動物が分かれてきた可能性が高まりました。

 目・耳・鼻・口といった特定の感覚器官で検知される他の感覚と異なり、体性感覚は体中に散在するさまざまな感覚器官が脳に情報を送る複雑な構造をしています。私たちは、ショウジョウバエを使って一部の種類の細胞だけで遺伝子の発現を誘導できるような遺伝子組み換え系統を大量に作製してスクリーニングすることによって、すべての種類の体性感覚細胞をそれぞれ特異的に標識して、中枢神経系に伸びる神経線維を解析することに成功しました。また、人間の脊髄に相当する昆虫の胸腹部神経節で体性感覚細胞からの情報を受け取って脳に伝える二次神経も標識して解析しました。これによって、末梢の感覚器官から脳にいたる神経回路の構造が初めて明らかになりました。

 今回の研究の手法では、発見されたそれぞれの種類の神経細胞だけで好きな遺伝子を発現させることができます。これを利用して、神経の活動度に応じて蛍光強度が変化するタンパク質を発現させてハエが歩いたり飛んだりするときにどの神経がどのように反応するかを調べたり、神経の電位変化を阻害するタンパク質を発現させてどの神経の機能を止めるとどのような行動変化が起きるかを調べたりすることによって、体性感覚に関する情報が神経の種類ごとに複雑なパターンで送られていることが分かりました。このように特異的な神経だけを体系的に操作する実験は、哺乳類の実験動物では非常に難しく、今後私たちが公開したショウジョウバエ系統を使って、体性感覚のさまざまな情報処理メカニズムを神経細胞レベルで解明する研究が盛んになると予想されます。

 今回の研究で明らかになった「感覚器官の種類ごとに中枢神経系の異なる場所に情報が伝えられる」「体の場所ごとに異なる場所に情報が伝えられる」「同じ種類の感覚器官から異なる経路で送られる情報は、脳の同じ場所に伝えられる」といった基本構造は、哺乳類の神経系でも同じです。さらに、感覚器官から中枢に伸びる神経の末端部は、温度や痛みを感じる細胞、脚や翅にある味覚細胞、体毛の接触を検出する細胞、表皮の変形を検出する細胞、関節の曲がりや動きを検出する細胞の順に層を作っており、この順番は哺乳類と昆虫で同じでした。(哺乳類に対応するものがない味覚細胞を除く。)視覚・嗅覚・味覚・聴覚重力感覚など五感の他の全ての神経回路でも高い類似性が見つかっていることを考えると、ばらばらの進化の末に偶然による収斂進化がこれほど全ての場所で一致して起こったとは考えにくく、基本的な五感の処理機能を備えた脳を持つ共通の祖先がいたと考える方が自然です。

 今年のノーベル医学生理学賞の対象となった体内時計は、最初にショウジョウバエで発見された仕組みが人間でも共通であることが知られています。私たちの研究成果は、昆虫と人間が体の仕組みだけでなく脳の仕組みにおいても予想以上に似通っていることを示しています。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照


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by sinonome-an | 2018-03-09 00:00 | news (研究)

心と身体を観照する


by しののめ庵